

Students Interview
在校生・卒業生インタビュー
通信スタイル / ベーシックコース / 3年生
「人生のやりがい」と「転入という進路」。2つの偶然が、私の転機に。

ショッピング中の出会いが人生の「やりがい」に。
「何これ、楽しそう」。初めてクライミングを目の前にした時、胸が高鳴ったことを覚えています。場所は偶然訪れたショッピングモール。施設の一部がガラス張りになっており、中の様子を覗くことができました。斜面を軽やかに登る人々の姿に衝撃を受け、クライミングの世界へ飛び込みました。家族など周囲には誰も経験者がいない環境でのスタート。それでも徐々にコンテストなどで受賞経験を重ね「この世界で挑戦したい」と決意が固まり、今にいたります。
得意種目は「ボルダリング」。高さ3~5mの壁をハーネスやロープを使わず、ホールドと呼ばれる石を使って登る競技です。コースの全容は試合直前までわかりません。「目の前に現れた壁に挑む」。その緊張感こそボルダリングの面白さだと思います。競技中、ルートや体の置き方など、頭で考え出すと体が止まってしまうので、私は常に直感勝負。体の柔軟性を活かしたスタイルで、日々クライミングに向き合っています。

転入を即決した「日帰りスクーリング」。教えてくれたのは同じ高校生アスリート。
学園高校には全日制高校から転入。2年生の中頃でした。登校頻度の多さと連泊が必須のスクーリングに不安が強く、通信制の中でも様々な学校を検討しました。偶然、地元の体幹教室で井上姫花さんと出会い、彼女もまた通信制高校の生徒だと知りました。女子ゴルフ部に在籍し、同じアスリートとして活躍している彼女から「学園高校はスクーリングが日帰り」という情報を聞き、転入を即決。海外遠征や練習時間がしっかり確保できる学習スタイルのため、クライミングに集中ができます。井上さんとはクラスメイトとなった今も親しく、たまの登校日にはよく話しています。
転入を反対していた母とは何度も衝突しました。けれど、いつも最後には私の気持ちを優先し、通信制高校への転入を認め、クライミングの活動を支えてくれるので感謝しています。

ワールドカップの表彰台、一番高いところへ登る。私らしく、掴む夢。
クライミングはまさに「生きがい」。クライミングをやっていなかった私は、やる気を持つことなく、ダラダラと過ごす人間でした。クライミングのおかげで、今は海外遠征も経験。海外選手と競う中で感じるのは、やはりフィジカル面の強さ。リーチの長さやパワー、日本人との違いに圧倒されることもあります。壁を登れなかった原因が、単に「自分のフィジカルの弱さ」と感じた時には悔しさを噛みしめたことも。私の持ち味である体の柔軟性に加え、今は筋トレや体幹を鍛えることでフィジカルの強化に努めています。目標はワールドカップの出場、そして表彰台に上がること。今後も自分のスタイルを活かしながら、より高度な壁に挑み続けたいと思います。
保護者のVoice
子どもにあった選択を。葛藤も喧嘩も重ねた日々、壁へ挑む娘の背中を支える今。
学校に行ってほしい私と、行きたくない娘。毎朝「行く行かない」の押し問答がなくなった今、気持ちが楽になりました。全日制高校を勧めていたのは、学習面だけではありません。規則正しい生活の中で、人とのコミュニケーションを学び、高校生ならではの青春を経験してほしいと思ったから。在籍していた私立高校ではクライミング競技にも理解があったのですが、彼女には合わなかったようです。なぜ行かないのか、言葉にしてくれたことはなく、今でもわかりません。このままでは就職も難しいのではと思い、高校中退よりは通信制。意気揚々と通信制を選んだわけはないのが、親としての正直な気持ちでした。ただ、毎朝交わされていた押し問答がなくなり、それが親子にとって大きなストレスだったと実感せざるを得ません。出来ないことよりも、出来ることを認める。娘には、娘にあった選択をしようと今は思うようになりました。クライミングに出会い、「生きがい」を感じる娘。世界の大舞台という壁に挑むその背中を、そっと見守る日々を過ごしています。
主な戦績

- 国際大会
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- ・優勝|U-19女子ボルダー|IFSCクライミングユースアジア選手権(貴陽/2025)
- ・準優勝|U-19女子リード|IFSCクライミングユースアジア選手権(貴陽/2025)
- ・3位|U-19女子ボルダー|IFSC世界ユース選手権(ヘルシンキ/2025)
- ・3位|U-18女子リード・ボルダー・コンバインド|IFSCアジアユース選手権(重慶/2023)
- 国内大会
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- ・準優勝|第11回ボルダーユース日本選手権(倉吉/2025)
- ・準優勝|第9回ボルダーユース日本選手権(倉吉/2023)
- ・準優勝|第11回リードユース日本選手権(南砺/2023)
ギャラリー
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#クライミングの輪
日々クライミングを楽しむ仲間たちやサポートしてくれる人たちと。競技やレベルに関わらず、共に時間を過ごす大切な場所。
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#ともに努力を重ねる道具たち
使用しているクライミングバッグとシューズ。
日々の練習を支える必需品。
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#登るのは頭と体
ルートやホールドの形を見て、登り方を組み立てるのも競技の魅力。
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#集中の一瞬にすべてをかけて
壁に挑む姿勢。指先の力やバランス感覚が求められる。

